「日系アメリカ人リーダーシップ?シンポジウム」が3月4日(月)、「地域経済活性化を後押しする文化?スポーツ?コミュニティの力―日系アメリカ人の経験から」をテーマに大阪市天王寺区の大阪国際交流センターで開かれ、大阪体育大学の原田宗彦学長が基調講演を行いました。
シンポジウムは、独立行政法人国際交流基金が主催し、米日カウンシルが共催しました。2000年から外務省が主催し、全米各地で活躍する日系アメリカ人10人を招いて東京、大阪で政官民の幅広い有識者と交流する「日系アメリカ人リーダー招へいプログラム」の一環として行われ、この日は在大阪?神戸米国総領事館のジェイソン?R?クーバス 総領事ら日米の関係者が参加しました。
原田学長は米ペンシルバニア州立大学博士課程(Ph.D.)を修了し、フルブライト上級研究員。日本スポーツツーリズム推進機構の代表理事(会長)を務めるなど、スポーツを通じた地域振興?経済発展研究の第一人者です。
基調講演のテーマはスポーツツーリズムで、原田学長は「スポーツツーリズムとは、スポーツを通して人を動かすメカニズムを作ることであり、スポーツ施設などがないところでも実現可能だ」と強調し、具体的な事例として、スキー場が廃止されたピンチを山でのトレイルラン大会の実施で跳ね返した富山県利賀村などを紹介。また、武道ツーリズムの成功例として、福島県の戊辰戦争の激戦地などを巡る「福島侍旅」、弓道、茶道、禅などの武家文化を体験する「金沢武道ツーリズム」、数万人が集まる青森県の「桜流鏑馬」などを挙げました。
スポーツツーリズムの世界の市場規模について、原田学長は「英国のコンサル会社の調査では、2020年の53兆円から2030年には234兆円に拡大する」と指摘。最後に、「日本ではスポーツ庁は国の政策として財政、制度面で支援に乗り出しており、日本スポーツツーリズム推進機構も司令塔としてスポーツツーリズムビジネスの拡大に取り組んでいる」と語りました。
<シンポジウム概要>