東京ビッグサイトで開催中の日本最大規模のスポーツ?健康産業総合展示会「SPORTEC(スポルテック)2024」で7月17日(水)、本学教員とソフトバンク株式会社の担当者による本学セミナー「スポーツ科学でビジネスする」を開催しました。
SPORTECは原田宗彦学長が実行委員長を務め、本学は3年連続でブースを出展しています。
本学とソフトバンク社は、2年前のSPORTECをきっかけに、「スポーツ指導におけるICT活用」連携協定を締結。大学とさまざまな社会課題の解決に取り組むコンソーシアム「ソフトバンク社会貢献プログラム産学連携プロジェクト」に参加し大阪府内の中学校などでソフトバンク社のアプリ「スマートコーチ」「AIスマートコーチ」を使用した運動部活動指導に取り組んでいます。
セミナーは、スポーツDX、スポーツ生理学、スポーツマーケティングの分野で、最新の研究成果や技術革新を通してどうビジネス展開していけるのかを議論する内容です。星川智哉?ソフトバンクサービス企画本部コンテンツ推進統括部スポーツ企画2部部長、三島隆章スポーツ科学部長(スポーツ生理学)が講師を、藤本淳也教授(スポーツマーケティング)がモデレーターを務めました。
星川部長は「『社会課題に、アンサーを。』が会社のスローガンになっています。大阪体育大学と連携し在学学生が中学校などの運動部活動指導で『AIスマートコーチ』『スマートコーチ』を活用している事例も紹介しています」と話し、大阪府貝塚市立中学校での実証実験の映像が紹介されました。また、4年間未勝利だった茨城県の中学校バスケットボールチームがICTによる指導を経て勝利を挙げた事例も報告。「ICTの指導で生徒ひとりひとりが生き生きして意見を言い合う環境ができました。ICTの強みは子どもたちの主体的な学びを創出できる点です」と強調しました。
三島学部長は「大阪体育大学とスポーツDX」のテーマで講演し、硬式野球部男子の学生がレギュラーと非レギュラーの投手で球質が異なるか否かを調べた2020年度のゼミ論文を紹介しました。レギュラークラスのAチームとそうではないBチームの投手を比較すると、球速はAチーム、Bチームで差はありませんでしたが、ボールの回転数はAチームが上で、回転軸もAチームの方が垂直に近いことが分かりました。次にデータに基づいてA、Bチームなどの投球をVRで再現し、野手がゴーグルを付けてVRの打席に立ったところ、普段見慣れているAチームの投球よりも、見る機会が少ないBチームの投球の方がタイミングをとりづらいという結果が出ました。三島学部長は野球部員の「対戦相手の投球をVRで再現できたらとても有利になる」という感想などを紹介。「大阪体育大学では次年度からデジタルスポーツ論を開講します。VR、メタバース、AIなど一見すると体育大学の学生とかけ離れているものをうまく融合させて、本学スポーツ科学部の6つのコースの深い学びに結びつけます。本学でますますスポーツ科学とDXの融合が始まることを期待しています」と話しました。
この後、藤本教授の進行でディスカッションがあり、スポーツ科学とビジネスの融合による未来像について、星川部長は「『トライ?アンド?エラー』は会社の文化でもあるので、積極的に融合にチャレンジしていきます。大学の資産とうまく融合して、価値を可視化させて大学といっしょになって進んでいきたい」、三島学部長は「次年度からのデジタルスポーツ論では、デジタルに関して自分で簡単なプログラムを作ってVRにプログラムを上げたり、メタバースで自分のワールドを作ったりするなどDXを使うことができる学生を一人でも多く世に輩出していきたい」と話しました。
最後に藤本教授は「大阪体育大学もトライ?アンド?エラーを重視する文化を持っています。エラーがないことを目指しつつも実験的経営を進め、スポーツ科学とビジネスを融合させてスポーツを支える仲間を募集しています」とさらなる産官学連携の進展を期待していました。
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<スポーツ科学部サイト>
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