大阪体育大学の社会貢献センターは3月4~7日、能登半島地震の被災地支援に、各クラブの学生ら40人を派遣します。七尾市、志賀町で家財道具の搬出作業などに従事する予定です。本学は東日本大震災で復興支援活動「サンライズキャンプ」に12年間取り組んでおり、サンライズキャンプを経験した学生も参加します。
参加する学生は2、3年生を中心に硬式野球部、サッカー部、ラグビー部、アメリカンフットボール部、バスケットボール部、ライフセービング部、無所属など幅広く、2月12日に30人の募集枠でメールを通じて参加を呼びかけると、72人から応募があり、抽選の末、40人の派遣を決定。社会貢献センター長の中山健教授(スポーツ社会学)、サンライズキャンプに第1回から関わる池島明子教授(レクリエーション)ら教職員4人が同行します。
4日は午前11時45分から出発式を行った後、バスで大学を出発。羽咋市の国立能登青少年交流の家を拠点に5、6日は七尾市、7日は志賀町で災害ボランティア活動にあたります。
本学ではこのほか、ゼミ単位などで学生が能登半島地震でのボランティア活動に参加しています。
「サンライズキャンプ」は、東日本大震災が発生した2011年の10月、福島県から大阪に避難した子どもたちと大学構内で1泊のキャンプを行ってスタートしました。12年はがれきや土砂の撤去が主でしたが、13年からは南相馬市のNPO法人と連携し、仮設住宅でのサロン活動、高齢者の体力を測定する「お元気度チェック」、子どもたちや地域の方とのスポーツ交流会など、その時々のニーズに合わせて内容を少しずつ変えながら、「体育大学だからこそできる」支援活動を継続し、2021年、南相馬市から感謝状を授与されました。2023年は8~9月に学生と教職員約20人が3泊4日で実施。参加した学生は報告会を開き、支援の内容や活動を通して得た学びを他の学生らに説明しています。
石川県での活動では、昨夏のサンライズキャンプに参加した学生のうち3人が参加します。
陸上競技部の本田結子さん(体育学部3年、岐阜?美濃加茂高校出身)は1月1日の地震発生直後から現地でボランティア活動ができないかインターネットで探しましたが、受け入れ困難と分かり、社会貢献センターにも相談していました。「南相馬では、地域の方が、遠くに避難した人が古里に帰ってくる日に備えて駅前で花を植えたり掃除をしたりしている姿を見て、地元の人の温かさや、誰かのために行動することの大切さを学びました。石川県の被災地では、日常生活が早く戻るよう、少しでも力になれば」と話しています。
幼小体育研究部の出葉丈樹さん(体育学部3年、徳島県立脇町高校出身)は「南相馬市では、多くの住民が避難して子どもの数が減り、スポーツをなかなか楽しめないと聞いていたので、小中学生とソフトボールなどで遊びました。能登半島の被災地で自分ができることは限られていますが、自分は教員志望なので、現地の様子を知り、将来、生徒たちに経験を伝えたい」と話しています。
中山教授は「本学は建学の精神として『不断の努力により智?徳?体を修め社会に奉仕する』を掲げ、被災地支援をはじめとした社会貢献に積極的に取り組んでいます。学生は被災地で活動し現実を見ることで、気づきを得ることが多い。また、本学は教員やスポーツ指導者などリーダーシップが求められる人材を養成してきましたが、被災地での活動はリーダーシップの涵養にもつながっています」と話しています。
石川県のボランティア担当者からはサンライズキャンプのように息の長い長期的な支援をお願いされています。中山教授は「石川県での被災地支援には継続して取り組みたい。現在はハード面の復興支援が急務ですが、いずれはスポーツを通じた支援や交流など体育大学ならではの活動をめざしたい」としています。
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