大阪体育大学とソフトバンク株式会社はICTを活用した運動部活動の公開の実証実験を8月22日(火)、大阪府貝塚市立第五中学校で実施しました。
実証実験には、同中の男子バスケットボール部ですでに部活動指導にあたっている本学教育学部2年の吉岡悠人さん、男子バスケットボール部員約10人と顧問が参加。ソフトバンク社が開発した練習サポートアプリ「スマートコーチ」「AIスマートコーチ」を使って、その場で撮影したシュートフォームを手本の動画と比較しながら生徒同士で意見を出し合ったほか、別室に待機した吉岡さんが生徒の動画を見てコメントするなどの遠隔指導の実験に取り組みました。生徒は「アプリは自分で自分の映像を見ることができるから、人から指摘されるよりも、ずっとよく分かる」などと感想を話していました。
教員の長時間労働が社会問題化し、部活動指導にあたる人材が不足する中で、本学は、2021年度から中学校などで運動部活動指導にあたる学生を育成する「グッドコーチ養成セミナー」を開講し、21、22年度で学生41名が大阪府、兵庫県の26中学などで部活動指導員などとして指導にあたっています。また、6月にソフトバンク社と「スポーツ指導におけるICT活用」で連携協定を締結しました。
学生による部活動指導のサポート、ICTの活用に対する関心は深く、この日の実証実験は大阪府、兵庫県の市教委関係者や貝塚市の市議会議員、報道関係者ら多数が見学しました。
吉岡さんは第五中学と神戸市内の中学校で平日は週に1、2回、週末に週1回程度指導しています。ICTの活用について「自分は神戸市内の中学でも指導しているので、遠隔でも指導ができてとても効率的だ」と語ります。バスケットボール部の顧問の溝口貴昭教諭は「アプリを見ながら友達同士で積極的に話し合う生徒の表情がとてもいい。アプリの導入で劇的に技術が伸びた生徒もいる」と話しています。
本学の運動部活動改革プロジェクト?チームリーダーの中尾豊喜教授は「過去の実証実験でも、ICTの活用で生徒同士が映像を見ながら積極的に意見を出し合うようになり、これはアクティブラーニングとして非常に有効。ICTの活用は部活動だけでなく、体育の実技、さらには総合的な学習の時間や各教科にも広がる可能性がある」と話しています。
また、同プロジェクト?サブリーダーの滝沢洋平講師は「自分の動きに対して、教師や指導者から指摘された場合、生徒は指摘された内容について、上手く理解できない場合がある。他方で、AIスマートコーチを使用し、自身の動きの比較をすることで生徒自身が自分の課題や修正点をみつけることができるので、深い学びに繋がると考える。この学びが部員同士で繋がっていくと、体育授業も同様だが、探求できる集団(チーム)になるので、向上心が高まると考える」と話しています。
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