日本部活動学会の第6回大会が3月11日(土)、大阪体育大学で開催され、全国の研究者や教育委員会、学校関係者、メディア関係者など約140人が参加しました。
<記事は写真下に続きます>
大会は、スポーツ庁、大阪府?大阪市?堺市?熊取町の各教育委員会に後援、ソフトバンク株式会社、くまとりにぎわい観光協会に協賛いただき、大阪体育大学が主管しました。運営スタッフは本学と関西大学大学院の学生約20名が務めました。対面での開催は4年ぶりです。
学会は、午前?午後の部に分かれ、午後の部では神谷拓会長(関西大学)の開会あいさつ、大阪府教育委員会?橋本正司教育長、大阪体育大学?原田宗彦学長の祝辞、中尾豊喜大会実行委員長(大阪体育大学体育学部教授)の趣旨説明の後、スポーツ庁地域スポーツ課課長補佐兼運動部活動改革専門官の田口雅紀氏が基調講演しました。田口氏は「運動部活動の地域連携?地域移行と地域スポーツ環境の整備について」と題して、運動部活動改革のこれまでの経緯や茨城県つくば市などの先進事例などを説明。3年間の改革推進期間の初年度となる2023年度に実施される部活動の地域移行等に向けた実証事業、部活動指導員の配置支援、地域における新たなスポーツ環境の構築等の予算額28億円の事業について説明しました。
続いて、シンポジウムが「改革前夜、学校教育?社会教育の視座より、これからの部活動を考える」をテーマに行われました。第1部の現状報告では土屋裕睦教授(大阪体育大学)がモデレーターを務め、大阪府教育庁教育振興室保健体育課の杉本嘉文主任指導主事が「大阪府における部活動改革について」と題し、守口市、箕面市での改革の現状や本学の小林博隆准教授から地域移行支援コーディネーターとして助言を受けていることなどを報告。大阪体育大学からは、滝沢洋平講師が中学?高校などで部活動指導員?外部指導者などとして運動部活動の指導にあたる学生を育成する「グッドコーチ養成セミナー」の詳細を説明し、バスケットボール部女子の村上なおみ監督が、泉大津市の学校現場に部員が外部指導員として派遣されている事例などを報告。泉大津市教育委員会スポーツ青少年課の近藤陽子課長は同市が進める運動部活動改革事業の概要や本学との連携事業を紹介。また、本学と泉大津市、ソフトバンク株式会社は、協力して遠隔支援サービス「スマートコーチ」「AIスマートコーチ」などを使って本学のバスケットボール部員が中学の部員にタブレットの画面で技術指導する実証実験を実施しており、同社のCSR企画統括部CSR企画部遠隔コーチング支援課の吉嶋稔幸課長が動画を交えて指導の模様や感想を報告しました。
また、芦屋市教育委員会の学校教育課?野村大祐課長、スポーツ推進課の本間慶一課長が「学校を拠点に地域で子どもを育てる」をテーマに、両課など部局間の連携などを報告しました。NPO法人大阪スポーツクラブの柴田裕介理事、朝比奈優理事は、堺市での総合型地域スポーツクラブの設立構想について説明しました。
第2部の指定討論では、モデレーターの植田真帆講師(東海学園大学)の司会で、森田啓之教授(兵庫教育大学)、 久保田治助准教授(早稲田大学)、藤本淳也教授(大阪体育大学 )から、第1部での報告を受けてそれぞれ「学校教育」「社会教育」「スポーツ産業」の視点に基づいた部活動の地域移行についてのコメントをいただき、その後、登壇者全員が感想を述べました。
最後に日本部活動学会の望月浩一郎副会長(弁護士)が閉会のあいさつをしました。
このほか、午前の部では、3会場で自由研究発表が行われました。巽樹理?追手門学院大学准教授と大阪市教育委員会のメンバー5名による「大阪市における部活動の地域連携?地域移行に向けた考察」、土屋裕睦?大阪体育大学教授、中小路徹?朝日新聞社編集委員、大阪体育大学大学院?池田和司さんによる「スポーツ指導における体罰は10年間でどう変化したか?」など10テーマについて、大学や中学の教員、メディア関係者から発表され、活発な質疑応答がありました。
開会に先立ちパフォーマンスを披露する本学ダンス部
BACK
社会貢献?附置施設
BACK