大阪体育大学社会貢献センターでは、福島県の復興支援活動「サンライズキャンプ」を3月23~25日、池島明子教授のコーディネートにより16名の学生と5名の教職員で実施しました。
<記事は下に続きます>
サンライズキャンプで南相馬市内の牛舎を見学する学生。原発事故のため住民が避難し、餓死した牛が、かじって食べた柱の跡が残る
地域の環境整備や体力測定、子どもたちとの交流会などを実施しましたが、新型コロナウイルス感染対策から、年長者が多く参加するサロンでは中に入らず窓の外からの活動といたしました。
震災発生から今年で10年を迎えます。我々が活動する南相馬市は街並みはずいぶんきれいになりましたが、福島第一原子力発電所の近くは依然手つかずの地域もあります。また街並みはきれいになったとは言え、街が再生して活気が戻るにはまだもうすこし時間がかかると感じます。
参加した学生の目的はそれぞれ異なりましたが、直接自分の目で見て話を聞くことで多くの学びを得る事ができました。スポーツの力で人と人とのつながりが再生し、皆さんの健康増進のお役に立てるよう、引き続き活動して参ります。
<活動を写真で振り返ります>
【第1日】
仙台空港から南相馬に到着。お世話いただく特定非営利活動法人「つながっぺ南相馬」の今野由喜理事長のお話を聞く学生。
道路の側溝にたまった落ち葉を拾うなど環境整備作業をする学生。
福島第一原発事故で避難した方から当時の様子を聞く学生。
【第2日】小高体育センターで実施した「お元気度チェック」。50歳以上の被災者の方を対象に体力チェック、健康チェックを行いました。
原町きらきらサロンの参加者と「エビカニクス体操」を実施する学生。感染症対策として室内には入らず、外から窓越しに交流しました。
原町きらきらサロンの中から、窓越しに学生の体操を見て楽しむ被災者の方々。被災者の方は、毎年、大阪体育大学の学生が訪問するのを楽しみにしていただいています。
海に近い浦尻地区で近くの日鷲神社の西山典友宮司から津波の説明を受ける学生。津波は木の枝のすぐ下あたりまで押し寄せましたが、古くからある日鷲神社と遺跡の貝塚は津波から免れたそうです。
塚原公会堂では、被災者の方に「東日本大震災10年の歩みと未来への展望」と題して講演をしていただき、学生が聴き入りました。
毎晩、教職員宿舎でミーティングを開き、学生はその日に感じたことや反省点を報告します。翌日のイベントで被災者の方に喜んでもらうためにどうするかなど細部を確認しました。
【第3日】南相馬市で酪農を営んでいた半杭(はんぐい)一成さん(右)は福島第一原発の事故による避難指示で、牛を残したまま避難を余儀なくされました。多くの乳牛が餓死し、牛にかじられ細くなった柱(右)が今も残ります。半杭さんは大阪体育大学の学生に、涙ぐみながら当時のことを話していただきました。学生たちも涙を流しながら聞きました。帰りのバスの中も学生たちは押し黙ったままでした。
浮舟文化会館で開いた地域ふれあい交流会。子どもから大人、高齢者まで幅広い世代の方と学生がレクリエーションを楽しみました。メニューは、前日のミーティングなどで学生たちが考えました。
双葉町の原子力災害伝承館を見学した学生。伝承館に向かう途中では、車窓から帰還困難区域の様子も目に焼き付けました。
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