大阪体育大学は2月8日(月)、スポーツ庁委託事業「運動部活動改革プラン」シンポジウム(大阪府教育委員会後援)を、「大阪体育大学が取り組む運動部活動改革:学生指導者育成?派遣の試み」をテーマにオンラインで開催しました。
※シンポジウムの動画はこちらからご覧になれます。
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本学では、2019年度からスポーツ庁委託事業「運動部活動改革プラン」を受託し、体育?スポーツ?教育系大学として今後の運動部活動のあり方を展望し、その貢献方法を検討してきました。
(受託事業の事業概要についてはこちらを、ご覧ください)
シンポジウムには、全国の教育委員会や大学、中学、高校、スポーツ団体などの関係者が参加されました。冒頭で淵本隆文副学長が「顧問の長時間労働など部活動の課題を解決するために本学はスポーツ庁の運動部活動改革プラン事業を受託した。来年度から指導者の養成と派遣のシステムを本学でスタートさせる計画だ。計画を成功させるため、スポーツ庁の方向性や現場の課題を共有して議論したい」とあいさつしました。
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続いて、スポーツ庁の伊藤賢?政策課学校体育室室長が基調講演。学校の働き方改革を踏まえた部活動改革として、教師の負担軽減と持続可能な部活動のために休日の部活動の段階的な地域移行や、合同部活動、ICT活用による合理的で効率的な部活動の推進に取り組んでいること、来年度から全国で114か所の実施拠点校で実践研究を実施することなどを説明。「このモデル事業の肝は人材の確保。大学生は長年の競技経験を持ち大きな可能性を秘め、体育系大学に期待するところは大きい」「これまで中学高校の運動機会はほぼすべて部活動が担い、教員が献身的に努力してきた。その良さは生かしつつも持続可能なありかたを進めていきたい」などと話しました。
次に、中尾豊喜教授が事業報告。本学がこれまで2017年度から運動部指導者の育成のために新しい科目の「運動部指導実践論」を開講し、19年度以降「運動部活動改革プラン」を受託し研究を進めてきたこと、今後、指導者養成プログラムとして「理論編」の指導者養成セミナー、「技術編」の競技別の指導法研修を整備してオンライン教材として活用を予定していることなどを説明。部活動でスポーツの技術指導とあわせて、規範や人間関係形成、社会性の醸成を視野に入れて指導にあたることの重要性を指摘し、「競技の指導ができる教員志望の学生が学校現場で部活動指導を体験することは、社会的にも意義深い」などと話しました。
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シンポジウムには、大阪府教育庁の杉本嘉文?教育振興室保健体育課競技スポーツグループ指導主事、大阪府枚方市教育委員会の細川陽子?学校教育部教育指導課指導主事、千葉県流山市教育委員会の柏木孝介?学校教育部指導課指導主事が登壇しました。
杉本指導主事は大阪府内の部活動指導員の配置状況について府立学校(全日制138校)は2018年度10校10部、19年度27校27部、20年度33校49部、市町村立中学校(280校、大阪?堺市除く)は18年度17名、19年度62名、20年度88名と拡大していることや、部活動指導員バンクを設立し、大学生も20歳以上は登録できることなどを説明しました。細川指導主事は19年に枚方市中学校部活動方針を策定し、指導協力者(外部コーチ)約150名が運動部活動に参加しているなどと話しました。柏木指導主事は19年に民間業者と業務委託して外部指導員を中学校2校に4名ずつ配置したこと、業務委託で専門的な指導技術を持つ人材を確保しやすくなったことなどを報告しました。
続いて、モデレーターの本学?小林博隆准教授と土屋裕睦教授、中尾教授、スポーツ庁の伊藤室長が加わって活発な議論があり、部活動指導員や外部指導員を拡大するにあたっての予算面などの課題、全国の体育系大学と連携した合同の人材バンク設立の可能性などが話し合われました。
最後に藤本淳也教授が「本学はこの事業を学生、指導者、そして生徒の3つの未来を見据え、開学以来55年で培った英知を結集し、体育大学だからこそできることを議論、構築し、推進していく。スポーツ庁、教育委員会、学校現場など皆様とともに歩んでいきたい」とあいさつしました。
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