部活動での体罰について深く考察し、体罰などとは無縁な「グッドコーチ」を目指す土屋裕睦(ひろのぶ)体育学部教授(スポーツ心理学)のゼミの授業が11月3日、読売テレビ「かんさい情報ネットten.」で紹介されました。
番組は、宝塚市立中の柔道部など全国の学校で体罰が相次いで発覚する中、どのような意識改革が求められるかを探る内容です。
土屋教授は、文部科学省「スポーツ指導者の資質能力向上のための有識者会議」(タスクフォース)委員、日本オリンピック委員会スポーツ科学サポート部門員などを務め、スポーツ庁からの委託事業として体罰などとは無縁な良き指導者「グッドコーチ」の育成に取り組んでいます。
ゼミの授業にはJリーグ選手など様々な道に進む4年生約10人が参加。体罰がなくならない理由を探るため、学生はあえて体罰をする人が思うメリットを考えて「気が引き締まる」などの理由を書いた付せんを壁に貼ります。続いて体罰のデメリットを考え、「自主性がなくなる」「萎縮」などと書いた付せんを貼っていきます。
そのうえで、学生は体罰などに頼らない「グッドコーチ」ならどう指導するかアイデアを考えます。「見本をみせる」「ミーティングで話し合う」「ポジティブな表現を多用する」などと書いた付せんを壁に貼り、一人ずつその理由を説明していきました。
土屋教授は「愛のムチは単に『無知』」と断じます。
番組で、土屋教授は「体罰をしている人は『引き締まる』など何か一つの考えに取りつかれてデメリットを考えられないが、罰を与えて何か行動を強制しようという時代はもう終わっている。心理学的に見てもあまり効果はないし、むしろデメリットの方が大きい」と話します。
そして、「中学生など子どもはいっぱい失敗する。その失敗から学習者中心にどう学べるかが大切」だとし、「自発的な成長の機会を作るためにも、教師側の意識の変化が重要」と解説しました。
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