障がいのある生徒と本学の学生が一緒に活動し、スポーツの楽しさを伝える「わくわくアダプテッド?スポーツクラブ」を、今年も教育学部が中心となって開催しています。
8月22日には今年度3回目の活動が大阪体育大学第6体育館3階の多目的アリーナであり、近隣の支援学校の中学部?高等部の5人が本学学生の1~4年生17人と、障害物リレー、卓球、大縄跳び、ストラック?アウトなどを楽しみました。
わくわくアダプテッド?スポーツクラブは本学の2016~2020年度特色あるプロジェクト計画の研究事業「特別支援学校生徒のアダプテッド?スポーツ実践の場の提供とその効果」の一環として創設されたスポーツクラブです。
支援学校や支援学級に在籍する生徒にスポーツ活動の機会を提供し、教員や学生との交流を通じて、技能や体力の向上だけでなく、QOL(クオリティ?オブ?ライフ、生活の質)の向上や生涯スポーツの獲得を目指します。
将来、スポーツ指導や教育に携わる希望を持つ本学の学生にとっても、障がいや様々なニーズのある生徒らとの活動を経験し、指導技術を身に着けることは有意義です。
今年は新型コロナウイルス感染症の拡大のため自粛が続き、オンラインでの実施も検討されましたが、活動ガイドラインを作成し、日常的な体温、行動記録の管理や活動参加チェック表への記載などの対策を取ることで、7月25日に再開。来年3月まで1カ月に2回程度のペースで行われる予定です。
22日はアダプテッド?スポーツに関心の高い学生、授業での「アダプテッド?スポーツ実習」の履修生ら17人が集合。遊具や用具を丁寧に消毒し、曽根裕二准教授(アダプテッド?スポーツ)と前回の反省などを確認しました。曽根准教授から「例えばバスケットボールのフリースローをする時、『嫌だ』と言う生徒がいたら、何が理由でNOのサインを出しているのか、そのボールかゴールまでの距離かシュートをすること自体か、生徒の発信を受け止めてその理由を考え、どう対応したらいいか工夫してほしい」などと話があり、学生は熱心に聴き入っていました。
近隣の支援学校の生徒は数年前から活動に参加し、学生とはおなじみ。体育館に来て、親しくなった学生を見つけると、大喜びでした。準備体操の後、向こうに置いたコーンまでダッシュ。率先して走る人、みんなが走り終えるまでじっと座って待ち、最後にむくっと立ち上がって走る人とそれぞれの個性で楽しんでいます。
続いて卓球、ストラックアウト、大縄跳びなどをして、最後に2組に分かれて障害物リレー。整理体操は支援学校の生徒が「1、2,3,4」と声を出して学生たちをリードしました。
客席で見守った保護者は「他に体を動かす場がほとんどなく、貴重な機会です。学生の方が本当にやさしく丁寧に接していただき、子どもは前日から『明日は、わくわく?』と聞いて心待ちにしています」と笑顔で語る一方、「支援学校を卒業すると、スポーツクラブは更衣を母親が手伝いにくいなど壁があり、身体を動かす場がなくなってしまう」など今後の不安を語りました。
曽根准教授は「生涯スポーツの充実は社会的な課題だが、障がいや特別なニーズのある人たちの受け入れは遅れている。ここでは『スポーツは楽しいんだ』ということを知ってほしい」と語ります。
この日、進行役を務めた教育学部4年の山﨑沙季さんは小学校の教員志望で、「小学校で障がいや特別なニーズのある子どもに対応できる教員になりたい」と話します。「わくわく」に参加して今年で3年目。「参加者は毎回、その日の気分や様子が違う。その子をしっかり見て、距離を取ったり近づいたり、対応を考える」ようにしてきたといい、「ここでの経験を通じて、子ども1人1人を深く見る力がついたと思います」と話していました。
【わくわくアダプテッド?スポーツクラブ】
バスケットボール。ゴールに向けてシュート。
卓球で学生とラリー。
障害物リレー。2組に分かれて競走。
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